私が働く町工場。

 経費削減のため、七月から埼玉県にある得意先まで、週に二度ほど、トラックで自ら配送することになった。

 これまでも月に三、四回くらい、工場のある茨城から埼玉まで配送の仕事があったが、その得意先との契約も五月で終了し、もう県外まで行くことはないだろうと思っていた。

 しかし、仕事が薄くなった現在、チャーター便だけに頼っていた違う得意先までの配送を自社で行なうことになったのである。

 先週末、工場からのルートを事前に確認するために、自分のクルマでカーナビを使用して、埼玉まで行ってきた。一度、下見をしておけば、本番で大きな失敗をすることはないだろう。

 無事に道順の下見を終了し、せっかく埼玉県まで来たのだからと、ちょっと寄り道して帰ることに。

 向かったのは忍城(おしじょう)跡。秀吉と小田原北条氏との戦いの中で、石田三成らの水攻めを受け、小説や映画化にもなった「のぼうの城」の舞台になったところである。

 小説も読んだし、映画も観ている。これまでの埼玉配送の仕事で案内板を何度も見ていたので、ちょっと気になっていた。

 カーナビを使用して、迷うことなく忍城跡に到着。再建された三階櫓は行田市郷土博物館の一部になっている。

 博物館は想像していた以上に見ごたえがあった。古代、中世、近世の行田の紹介、行田の名産品でもあった足袋の様々な展示もあり、バラエティー豊かな内容である。

 さらに運よく「忍城おもてなし甲冑隊」のショーもあり、予定していた時間よりも長居してしまった。

 その後、古河で「佐野ラーメン」を食べ、「ビアスパークしもつま」で日帰り温泉を楽しみ、帰宅の途についた。

 ちょっと、ついでに、リフレッシュできた一日であった。

2017忍城 

三階櫓

2017忍城2 


2017忍城6 


2017忍城5 

忍城おもてなし甲冑隊のみなさん


2017忍城3 

道路の向かい側にある諏訪神社

2017忍城4 

道路の向かい側にある東照宮


2017忍城7

 平成の世が来年にも終わりそうである。

 三十年。長いような、短いような一時代が終わりに向かっていく。

 そんな終わりのニュースに触発されたのかもしれない。この前、私は三十年ほど前から使用している扇風機の代わりを購入した。

 このブログで何度か言及したことがある古い古い扇風機。昨年まで異常なく羽根を律儀に回してくれていたが、それでも、ここ何年は不安との戦いでもあった。

 経年劣化による発火のおそれ。やはり、それが一番の不安材料だった。

 夏の暑い夜。エアコンのない私の部屋で、タイマーセットした扇風機が回り続ける。もしも、眠っている間に発火したら、取り返しのつかないことになるだろう。

 この不安を払拭するため、まだまだ現役続行の意思を示していた扇風機には申し訳なかったが、お役御免ということになった。

 新しい扇風機を買ってきて、自分の部屋で組み立てる。新品特有の真新しい匂いがする。

 組み立てを完了し、電源を入れてみる。三十年の進化なのか、旧式の三枚羽根に比べ、八枚羽根の新しい風はやさしく感じられる。

 何より、扇風機はエアコンと違って、夏の暑さを遮断しないところがいい。夏の暑さを感じながら、涼む。どこか、健康的な感じがする。

 ともあれ、これで今年の夏を迎える準備は整った。梅雨が終われば、必ず、暑い暑い夏はやってくる。

 新しい風を感じながら、今年もエアコンなしで、なんとか乗り切っていきたい。

 時代は変わっていく。それは時間の流れの中で生きる我々には避けては通れない。その中で、古い時代に感謝し、新しい時代に期待する。

 さよなら、ありがとう。そして、これからよろしくと。